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100の思考実験 ~生命維持~

2024/01/15

こんにちは、Kazuneです。

最近、ずっと読み進めている本があります。
「100の思考実験」 著者:ジュリアン・バジーニ 訳者:向井和美

100の仮定の状況を考えたときにどう考えていくか?という内容です。

納得いくのもあるし、何を言っているのかよくわからない。というものもあるし、
とにかく、なかなか考えさせられる本です。

その中で「思考実験」という内容についてみなさんはどのように思うでしょうか?

それはこんな話。



グレイ医師は悩んでいた。

終末期の患者が生命維持装置に繋がれている。
最後に意識を失う前に、その患者は装置のスイッチを切ってほしいと懇願していた。

しかし、病院の倫理委員会では患者の生命を故意に縮める行為は間違いだと定めている。

グレイ医師は患者の意思が尊重されず、患者の友人や身内の苦しみを長引かせるだけだとも思っている。

患者を見つめて悩んでいる時、

清掃員が入ってきて、生命維持装置に繋がっているコードに引っ掛かってコードが抜けてしまった。
慌てた清掃員がグレイ医師の方を見た。

「心配しなくていい。掃除を続けてくれ。問題ないよ。」

清掃員はその場を去っていき、グレイ医師はコンセントが抜けたまま患者を見守っていました。

患者の命を縮めるために「故意」に何かをした場合は倫理委員会の規定にそむくことになる。
でも、ここには「故意」に何かをした者はおらず、グレイ医師の望み通りの結果になった。

(この話は仮定の話なので、実際の話ではありません。)



日本でも医者が延命治療をやめて捕まってしまった。というニュースはありますが、難しい問題ですよね。

安楽死に関する法律のある国では「殺すこと」と「死なすこと」は明確に区別されているようですが、どっちが正しいと単純に言うことも難しいと思います。

例えば永久に植物状態にある患者への栄養補給をやめて「徐々に死なせる」ことはできるが、
致死量の薬物を注射して「ただちに殺す」ことはできない。

患者は植物状態なので、痛みはないが

注射で、早くしかも痛みのない死よりも、飢え死にの方が倫理的によい、と納得するのは難しい。

しかし、あなたの注射という行為は確実に患者を死に追いやるが、栄養を与えないことは直接手を下すことではない。


今、能登地震によって多くの方が被害にあわれています。
ニュースでは医療器具がなくて手術ができない。とか、手が回らず治療ができない。という方も多いということも聞きました。
そして、想像するだけでも、いままで薬を飲んでいた方は薬がなかったり、透析をしていた方は透析をすることもままならないことでしょう。

きっと想像を絶する困難があると思います。

思考実験では結論を言うことはできません。
「皆さんの心の中で、皆さんならどう思うのか?」
それを考えてみてほしいと思います。


私にできることはほぼありませんが

「生きとし、生けるものが幸せでありますように!」
 

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